しあわせな建築(越前市高野邸)

しあわせな建築があるとすればどの様なものなのでしょうか?竣工後から大切に使われ、利用者、居住者が快適に使い、住み続けられる建築はその一つであると私は思います。

この小住宅は越前市内西部に位置し、商業施設にも近く、郊外利便施設と住宅、田園風景が程よく混ざり合う位置にあります。

音楽の先生であるとともにピアノ教室を開く音楽家のこの家は竣工して35年になるのですが、当初のライフスタイルと空間を維持しています。例えば美味しいワインが出来上がる様に、心地よい空間を時間をかけてじっくりと熟成させた様な住空間になっていると言えるのではないでしょうか?

トップライトのある勾配天井を持つ音楽室(兼居間食堂、時には観客席?)には二台のグランドピアノが置かれ、ここで音楽会も開かれているそうです。

プランは当時としては珍しいスキップフロアを採用したブランとなっています。平家でありながら三つの床レベルがあり、それぞれのレベルは一つの大きな空間を構成しながら空間の独立性も兼ね備えることを意図したものでした。

朝日を取り入れる大きな三角窓、音楽室を見下ろす程よいレベル差を持つ
ピアノの生徒さんが楽しくなる様なインテリア

内装材、断熱性能、LEDなどの進歩には目覚ましいものがあります。しかし、新陳代謝を行いながらも決して変わらない基本的な心地よい空間性を提案していきたいものですね。

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