NHKの『イスラムに愛された日本人〜知の巨人井筒俊彦〜』で彼の名を覚えている方もいらっしゃるとは思います。
司馬遼太郎氏が日本の『天才』の一人と語っている井筒俊彦氏の旧自宅近くを訪れることができました。語学の天才であった彼は30以上の言語を流暢に操り、日本よりも外国で高く評価される宗教学者です。私は司馬遼太郎氏の講演CDやビデオ等で井筒俊彦という天才の存在を知っただけで、彼の著作はあまり読んだことはありません。
旧自宅は北鎌倉の南側の斜面を切り開いた閑静な住宅地にありました。書斎の蔵書は慶応大が持っていったそうです。残念なことに終の住処は今、悲しいほど荒れていました。世界に誇る天才の井筒俊彦の旧自宅をこのような状況で放置しておいて良いはずがありません。所有権上の問題があるのでしょうか?
語学に自信のない私にとって、30以上の言語を操ると聞いただけで、その天才の能力に恐れを抱いてしまいます。ただ、井筒氏はこの住宅のある鎌倉の土地も、静かに眠る墓も富士山を遠望できる場所を選んだと聞いています。その美しい富士山を眺めながら彼は何を思索したのかは私の知識では想像することもできませんが、彼の愛した富士山を同じ場所から俯瞰することは出来たのでした。

