個人住宅は敷地の形や環境だけではなく計画地の地歴、景観、風景を理解してデザインしたいものです。風景を創ると言われる100年前の敷地の状況を確認し原風景を知ることが大切です。今では行政等のホームページから敷地周辺の昭和前後の航空写真を見ることが可能です。『ここは100年前は〇〇だつた』との事実を知った上で、唯一の建築をデザインする、、、これが個人住宅設計の醍醐味とも言えます。
今回の敷地は大きな川につながる小川に接した敷地であり、田園風景の中にありますが、まだまだ屋敷林を持つ農家が点在する地域となっています。近年、河川氾濫も発生しており、安全性の観点から接地性(地面に近い)も持ちながら、氾濫時には安全なフロアを確保したいとの思いがスキップフロアを採用した理由のひとつです。
この住宅は『平家建て』ではあるのですが、内部にスキップフロア(注1)のリビング空間を作っています。内部から外部に向かう視界を自然に高くすることで遠くの風景や緑を内部に引き込むことができます。また、内部空間を外部に繋ぐことになり、開放感のある住空間を楽しもうとするものです。
内部と同じレベルのデッキ完成が待ち遠しいです。施主のご家族はこの大空間をどのように居心地の良い空間に変えていくのか、とても楽しみです。
(注1)スキップフロア:建築物において、その床面の一部に高さを変えた部分を持つ構成。

