店舗併用建築

吉祥寺に昨年、竣工した店舗併用住宅です。住宅の独立性を確保しながらもテナントのフレキシブル性を模索して計画したものです。
ファサードについても単体構成での存在を守りながら、追って、テナントにより付加される要素に対してベースになり得るものを検討して計画しました。オーナー様も同様の意識のもと、店舗が決まる際は、前もって協議の場を設けて頂き、テナントのカルチャペックさんも非常に品良く、ファサード創りを行い、建物を含めた良い景観環境が生まれたと思っております。(i)テナント写真
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組み立て式和室・茶室の撮影

昨日は月島スタジオでの【組み立て式和室・茶室】のプロモーション用スチール、動画撮影に立ち会いました。プロデューサー、ディレクター、カメラマン、照明マン、アシスタント、茶道家など総勢10人を越すそれぞれの専門家がテキパキと、ディレクターの求める映像を捕まえるために皆ベクトルを合わせ、エネルギーに満ちた仕事振りにはただただ感心するだけです。私達開発者が見る事もなく、気付くこともない本質の一部を気付かせてくれる映像と言えるでしょうか。光の当たり方やアングル、視点の高低による撮影は飽くことも無く、何度も繰り返されるのでした。

建築家になりたかった夏目漱石は友人の米山安三郎から「文学に進むべき、建築に将来性なし。」と助言され、文学の道に進んだと言われています。しかし卒業後も未だ進むべき道を決めかねていた漱石は、北鎌倉 円覚寺に釈宗演を訪ね座禅を組んだそうです。釈宗演が【喫茶去】と漱石に言ったかどうか、、、一つの個人的妄想ですが。(k)

【喫茶去】:禅語で『まあ、お茶でもどうぞ』

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左上:部材整列、左中:全体俯瞰、左下:撮影風景、右:床の間(【喫茶去】の掛け軸)

加子母の森

組み立て式和室のプロモーション動画撮影のために加子母に来ております。朝、日の出とともに山に入り、陽が山に掛かり、辺りが暗くなるまで森の中で撮影をしていました。
2013年(平成25年)に第62回目の伊勢神宮の式年遷宮が終わりましたが、ここ加子母からも毎回伊勢神宮に檜が納められています。神宮備林には江戸時代のものと言われる苔むした切り株や、樹齢数百年の檜の大木を見ることができます。大きく深呼吸するとフィトンチッドのおかげで体内に酸素が漲るように思えます。

次の第63回目の式年遷宮は2033年、私達の暮らしはどうなっているでしょうか?自動運転でここ加子母に来ることができているでしょうか、リニアの駅からドライバーなしのタクシーを使ってこの森に来るのでしょうか?
しかし、私達の生活が大きく変わるかもしれませんが、30年後も100年後もこの檜はほとんど変わらず、泰然とここに立っていることは間違いありません。人の一生の短さ、儚さを感じる今回の訪問でした。加子母神宮備林の檜左:檜の大木   右:陽の光で輝く苔の絨毯

中庭について

住宅の中に外部空間を取り込むことができる中庭は私達の住宅デザインの中にもしばしば採用される空間です。

私が初めて見た中庭のある家は京都の町家でした。高校の夏、京都五山送り火 を見るために市内にはまだまだ多くの町家が残る街の、今思えば典型的な京の町家に足を踏み入れた時でした。蒸し暑い夏の通りから中に入るとヒンヤリとした風が流れ汗が少し引き、暗闇に目が慣れ始め、奥に眩しく輝く薄緑色の光の箱があることに気がつきました。木々の葉のためか、苔生した地面のためか、記憶は定かではないのですが、薄緑の光の箱のイメージが今でも強烈に残っています。

中庭は、建物の周囲の環境に左右されない光環境を創ることができます。例えば、立地上太陽光の確保が難しい敷地や、都市部の住宅地などで周囲からのプライバシーの確保が難しい時など、中庭を貫入させることで住宅の環境が劇的に向上することもあるのです。
また、空気の流れを自然に作ることができるパッシブ的な環境装置としても注目すべきです。
しかし、最近頻発するゲリラ豪雨に対する対策も忘れてはならないですね。(北畑)

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左:中庭を取り囲むべく配置される住空間
右:住空間に穿った光の箱