金沢の伝統技術への思い

茶室の箔施工の打ち合わせを行いました。金箔といえば金沢ですね。その金沢を代表し、日本の代表と言える金箔専門会社の社長から箔の伝統を守ることの大切さとその伝統技術の一端を直接お聞きすることができました。400年前から続く技術を頑なに守り、育てること、、言葉にすれば数行ですが、大変なことです。技術を伝承するためには箔の職人が誇れる仕事をしてもらわなければならず、職人を率いる社長は、この仕事を継続的に獲得する必要があるのですから。
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輸出用茶室の仮組み

金沢の石森木工に来ています。輸出用茶室の仮組の確認と、金箔を貼るための工程等の打ち合わせです。石森社長、職人さんに柱と土台の仕口等の説明を受けました。カシュ塗装と金箔を貼った場合の仕口の収め方等、これはもうミクロンの手仕事、職人技の世界の話で、太刀打ちは全く不可能です。なぜならば建築の図面はミクロンの寸法はありません。職人技にはただただ驚き、日本の木の文化の奥深さと共に職人への尊敬の念を抱かずにはいられません。
箔は最高級の一号伝統箔を主に貼っていく方向です。
『最高の職人が最高の箔を貼る、それを実現するのに必要な時間が掛かる、それが不可能ならば仕事はやらない』との箔の会社社長のお言葉に職人集団を束ねる社長のフィロソフィーを感じました。(北畑)
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1970年代の菊竹清訓建築設計事務所

昨日、三田の建築会館で木族Networks主催;建築家伊東豊雄氏+構造エンジニア金田充弘氏のシンポジウム(みんなの森 ぎふメディアコスモスの設計について)が開かれました。私はまだメディアコスモスを見学しておりませんが、地元材を使ったうねる天井、グローブと名付けられた半円の美しい笠を近々に実感したいと思っています。
終了後、菊竹清訓設計事務所の事務所開設からの主要なメンバーであった遠藤勝勧氏と初期の所員であった猪狩達夫氏から、1960〜1970年代の頃の菊竹清訓設計事務所の雰囲気やデザインの進め方についての貴重なお話や菊竹氏とのエピソードを聞くことができました。二人は稀有な建築家菊竹清訓氏とのやり取りをとても良い笑顔で話しておられました。
遠藤氏がおっしゃるには、菊竹出身のキラ星の様な建築家の中で、最も菊竹清訓氏に近い建築家は伊東豊雄氏ではないか?とのことでした。私にはこのお話が特に印象的でした。
(プレゼン直前に、模型を前に、大きくかつ大胆に、無慈悲に変更されたという清訓氏のフィロソフィー?は所員から所員に受け継がれているようです。)
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歴史まちなみ研究会最終講演

昨日、セキスイハウスが10年前から行っている【歴史まちなみ研究会】の締めとなる最終講演が建築家の猪狩達夫氏によって行われました。
目的地は
・小布施
・郡上八幡
・スカイハウス(菊竹清訓自邸)
・越中八尾
・伊勢・松坂
・奈良井宿・松本
・近江八幡
・知覧
・京都
・安東・河回・慶州 の10カ所でした。
この研究会は猪狩達夫氏が全体をコーディネートし、それぞれの街や建築に対して造詣の深い方々に直接講師として現地で解説をお願いするという、とても贅沢な研究旅行でした。(私は初回から参加させていただくことができました。)
第二回目のスカイハウス見学では、まだお元気だった建築家の菊竹清訓氏自らがセキスイハウスの設計部の方々や私達に【良い街と建築をつくりなさい】と叱咤激励の言葉を、また最後の安東河回・慶州の旅行では、同行した建築家の鈴木恂氏から【風景の狩人たれ】との言葉をいただいたりと、今考えても夢の様な時間でした。また、セキスイハウスの方々が書きまとめた研究旅行のレポートの素晴らしさ。私はそのごく一部を猪狩氏から見せてもらいましたが、これらはスケッチや写真と文章で個性豊かにまとめられていて読み応えがありました。本にして、建築を志す学生に是非見せたいものです。
まだまだ多くの美しい街並みや建築物が各地に残されていて、これは素晴らしいことです。
しかし、私にとってこれらの旅行は、大切な景観や空間を維持し後世に伝えることの大変さをあらためて知る時でもあったと思っています。(北畑)
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輸出用茶室の造作材の検品、打ち合わせ

輸出用茶室の造作材の検品のため、金沢の石森木工に来ております。加子母檜のいい香りが作業所に漂っています。
加子母森林組合から日曜日に材料が届き、表面の状況を見るためにカンナをかけてもらい、木表木裏の確認と使用する位置の検討をしています。黒のカシュ塗装をしてしまうのがもったいないほどの最高の檜のようです。
目的は狂いや反りを最小限に抑えることです。木使い(気づかい)は木の知識と加工の高い技術と経験、そして木に対する愛?が必要ですね。
仮組みは来月初めの予定です。
白木の組み立て式茶室も価値はあるのですが、次回に譲りたいと思っています。(北)
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竣工時の喜びと寂しさ

今年の三月と今月、二つの商業施設が完成、オープンしました。引渡しの日、無事完成し引渡しができたことの喜びとともに、担当者にとって寂しさを感じるものです。
担当者が毎週打ち合わせに出かけ、施主、建設会社との定例会議を行うのですが、引渡しが済めば、その会議も無くなり、当然ですが、定期点検時以外は立ち入ることもありません。
今月に完成、オープンした施設は駅前にあり、ショッピングセンター、大学の施設、カフェやレストラン、ホテルが集中しています。
そっと現場の前にあるカフェに入り、店の外のテラスに置かれたテーブルから足場の取れた現場を眺めることもできました。現場監督と担当者には内緒の、密かな楽しみでもありました。(北)
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シェア金沢

先日、金沢市の東にあるシェア金沢の見学に行ってきました。このシェア金沢は、色々な人達、障害者も健常者も、高齢者も若者も一緒に暮らせる街を目指しているのです。本来、街とはこのようなごちゃ混ぜの人達が住める街であるべきです。東京郊外や大都市郊外に昭和40年代から開発されたいわゆるニュータウンは、今は高齢者だけが住む街になってしまい、大きな社会問題となっています。このシェア金沢のように、開発当初から色々な人達が暮らすことを考えて計画されていればとは思うのですが、大量の家族が一気に住み始められるニュータウンがその時代には必要だったのです。
大学生らしき若者と子供達が鬼ごっこをしているらしく、街の中を元気に走り回っています。また、その脇をゆっくりと高齢者が歩いておられました。どこからか静かなピアノの旋律が聞こえてきました。街のあり方について考えてみるにはとても良い時間と空間でした。(北)
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